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足と靴のお悩みブログ

足と靴のお悩みについて、理学療法士がお答えします。

大腿骨頸部骨折の薬物療法について(リハビリ、骨粗鬆症)ガイドライン

こんにちは!今回は、大腿骨頸部骨折の薬物療法について記載していきます!!

 

ガイドラインを元に、個人的に必要だと思う部分をピックアップしてお伝えしていきます!

 

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●このブログをみて得られるメリット

・大腿骨頸部骨折の薬物療法について、必須項目のみいっき見出来る。

 

目次 

・大腿骨頸部骨折の薬物療法について

▶︎アレンドロネートとリセドロネート

▶︎ビタミンDとカルシウム

▶︎ビタミンK

▶︎エストロゲン

・まとめ

 

・大腿骨頸部骨折の薬物療法について

 

【Grade A】
薬物療法は大腿骨頚部/転子部骨折の予防に有効である.

 

↑このように、ガイドラインでは薬物療法の推奨グレードは最高ランクのAとなっています。

 

しかし、それぞれ薬剤で効果は異なりますので、簡単にだけピックアップしていきます。

 

【アレンドロネートとリセドロネート】

 

※アレンドロネート.リセドロネートとは

▶︎骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート製剤)の種類のこと。

 

▶︎アレンドロネートとリセドロネートは70歳代までの骨粗鬆症の女性の大腿骨頚部/転子部骨折を減少させるとする高いレベルのエビデンスがある(EV level I-2).

 

ビタミンDとカルシウム】

 

▶︎ビタミンDはカルシウム併用で高齢者の大腿骨頚部/転子部骨折を減少させるとする高いレベルのエビデンスがあるが,単独使用や低用量では有効ではない(EV level I-2).

 

カルシウムは,ビタミンD併用で高齢者の大腿骨頚部/転子部骨折を減少させるとするエビデンスがあるが,高用量の単独投与により大腿骨頚部/転子部骨折リスクが上昇するというエビデンスもある(EV level I-2)

 

【ビタミンK】

 

ビタミンKは,アルツハイマー病,パーキンソン病などの合併患者が多くを占める高齢者集団において大腿骨頚部/転子骨折を減少させるというエビデンスがある(EV level I-2)

 

★ビタミンKの役割

▶︎ビタミンKは骨へのカルシウム沈着を助ける骨たんぱく質(オステオカルシン)を活性化させ、骨代謝を整えてくれる働きがある。ビタミンKは、納豆や、小松菜・ほうれん草などの緑黄色野菜などに多く含まれる。

 

↑高齢者には緑黄色野菜が良いみたいですね。

 

エストロゲン

 

エストロゲンは大腿骨頚部/転子部骨折を減少させるが,他の全身的有害事象が多いとする高いレベルのエビデンスがある(EV level I-2)


エストロゲン製剤の作用について

 

▶︎卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤であり、エストロゲンを補充することによって更年期障害による諸症状を改善する。また、卵巣の機能が弱る卵巣機能不全による不妊症や卵巣摘出による卵巣欠落症状への卵胞ホルモン補充療法などにも使用する。

他にもエストロゲンは骨の形成にも関与するため、薬剤によっては骨粗しょう症の治療薬として使用するものもある。

 

エストロゲンの主な副作用や注意点

(全身的有害事象)


・乳房症状乳房の張り、乳房痛などがあらわれる場合がある
・消化器症状吐き気、腹部膨満感などがあらわれる場合がある
血栓症頻度は非常に稀である
・手足のまひやしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難

 

引用:日経メディカル

 

↑などなど、副作用も様々あるため注意が必要な薬剤ですね!!

 

・まとめ

 

▶︎以上、簡単にですが、ガイドラインに記載している薬物療法の項目を記載しました!!

 

▶︎骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート製剤)については、すべての高齢者に効果が高いと思っていましたが、「70歳までの骨粗鬆症の女性」というように性別・年齢が影響してくるんですね!!

 

▶︎また、エストロゲンを使用している場合は、副作用にも要注意ですね!

 

▶︎骨粗鬆症の患者さんを担当した場合は、これらの項目も要チェックですね!!

 

以上で終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊

 

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大腿骨頸部骨折の危険因子とは?(高齢者に多い骨折/骨粗鬆症)ガイドライン参照

こんにちは!今回は大腿骨頸部骨折の危険因子について、主にガイドラインを元に記述していきます!!

 

私が個人の視点で、リハビリで必要だと思う項目のみピックアップしていますのでご了承ください!!

 

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・大腿骨頸部骨折になりやすい「危険因子」について評価項目が一気見できる。

ガイドラインで難しい単語は簡単に内容説明を入れます。

 

目次 

・大腿骨頸部骨折になりやすい人とは?

・大腿骨頸部骨折の危険因子

 ▶︎ガイドラインより

 ▶︎その他文献より

・まとめ

 

・大腿骨頸部骨折になりやすい人とは?

 

▶︎大腿骨頸部骨折は、高齢者に大変多い骨折ですよね。

 

▶︎私の職場でもかなりの割合で入院して来られます。

 

▶︎臨床に携わっていると、

「なんかこの人何回も骨折して入院するな〜」

「転倒してないのにすぐ骨折するな〜」

 

↑みたいな方がしばしば見受けられます。

 

しかし、逆に

「何回か転倒しているのに、全然骨折はしないな〜」

 

みたいな人もいます。

 

ではこの両者の違いは何なのでしょうか??

 

それが今回お伝えする「危険因子」に関わっていきます。

 

 頸部骨折のなりやすい人が分かっていれば、入院中の介入である程度ご本人にアドバイス等できる機会も増えるかと思います。

 

では、さっそくガイドラインにそって記載していきます!!

 

・大腿骨頸部骨折の危険因子

 

では、まずは一気に項目を挙げていきます。

 

・骨密度の低下【Grade A】
脆弱性骨折の既往【Grade A】

・骨代謝マーカーの高値【Grade B】

・血清ビタミンDの低値【Grade B】

・非常に低い血清エストラジオール値【Grade C】

・血清ビタミンA濃度低値と高値【Grade C】

・親の大腿骨頚部/転子部骨折の既往【Grade B】

甲状腺機能亢進症,性腺機能低下症,胃切除術の既往【Grade B】

・糖尿病,腎機能低下【Grade C】

・膝痛【Grade C】

・視力障害【Grade C】

・喫煙【Grade A】

向精神薬の使用【Grade B】

・加齢【Grade B】

・低体重【Grade B】

・多量のカフェイン摂取【Grade C】

・未産【Grade C】

 

その他文献等より

・過度な飲酒

ステロイドの使用

 

↑こう見たらかなり多いですね!

 正直、なぜ骨折との関係があるのか微妙なものも結構ありましたので、一部詳細を記載します。

 

 

・骨代謝マーカーについて

 

代謝マーカー:骨吸収や骨形成の過程で作られる物質のこと。骨吸収マーカーと、骨形成マーカーに分かれます。

 

以下ガイドラインより抜粋↓


骨吸収マーカー[尿中I型コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx)や遊離型デオキシピリジノリン(D-Pyr)など]や骨形成マーカー[血清非カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)]の高値は,大腿骨頚部/転子部骨折の危険因子である(EV level R-II).

代謝マーカー高値と大腿骨近位部骨密度低下を組み合わせると大腿骨頚部/転子部骨折予測能が高まる(EV level R-II).

 

・血清ビタミンDと骨折

 

▶︎ビタミンDは「骨代謝の維持」に関与しているので、低下していると骨折リスクが高まります。

 

基準値は以下の通り↓

 

・血清25(OH)D濃度が30 ng/ml以上をビタミンD充足状態と判定する

)・血清25(OH)D濃度が30 ng/ml未満をビタミンD非充足状態と判定する
・血清25(OH)D濃度が20 ng/ml 以上30 ng/ml未満をビタミンD不足と判定する
・血清25(OH)D濃度が20 ng/ml未満をビタミンD欠乏と判定する

 

引用:日本内分泌学会雑誌 Vol. 93 Suppl. Mar. 2017

 

・血清エストラジオール値と骨折

 

▶︎エストラジオール:エストロゲンの中で最も活性が強く、通常、検査で測定される血中エストロゲンの主成分。

 

▶︎エストロゲン:女性の閉経後に著しく低下。低下すると破骨細胞が活性化される。

 

・血清ビタミンA濃度と骨折

 

▶︎ビタミンA低値では骨粗しょう症性骨折

     高値では高密度骨折のリスクあり。

 

▶︎血中のレチノール(ビタミンA)濃度の平均値は約60μg/d

 

甲状腺機能亢進症と骨折

 

▶︎甲状腺機能亢進症では、骨吸収のほうがやや強く働くため、バランス的には骨塩量が減少する。

▶︎さらに尿からのカルシウム排泄の増加や、血液中のビタミンDの活性の低下、腸管からのカルシウムの吸収も低下もきたすため、骨粗しょう症のリスク↑。

 

・性腺機能低下症と骨折

 

▶︎性腺機能低下症に起因する低エストロゲン血症は骨吸収を亢進させ骨量低下を招く.

 

・胃切除術と骨折

 

▶︎胃切除により、カルシウムの吸収が悪くなるため、骨密度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる。

 

・糖尿病と骨折

 

▶︎インスリンには血糖値を下げる働きのほかに 、骨芽細胞に作用して骨の形成を促す働きが ある。

 

・腎機能低下と骨折

 

▶︎腎臓の機能が低下すると、ビタミンDの活性化がスムーズに行われず、食事でカルシウムを摂っても吸収がうまくできなくなる。

▶︎血液中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが溶け出て補おうとするので、骨は次第に弱くなる。

 

・喫煙と骨折

 

▶︎ニコチンの作用で全身の血流が悪くなる。その結果、胃腸の働きが抑えられ、食欲をなくし、カルシウムの吸収が妨げる。

▶︎女性では骨から血液中へのカルシウムの流出を防ぐ女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を妨げる。

 

向精神薬と骨折

 

▶︎向精神薬は、ほぼ例外なく高プロラクチン血症を呈する。

 

▶︎高プロラクチン血症はエストロゲン低下に関与。▶︎エストロゲンは骨から血液中へのカルシウムの流出を防ぐため、枯渇すると骨粗しょう症になりやすくなる。

 

・多量のカフェインと骨折

 

▶︎カフェインには利尿作用があるため、飲みすぎると体内に吸収されたカルシウムが必要な分まで排泄される。

 

・その他

 

【飲酒と骨折】

 

▶︎お酒にも利尿作用があるため、カフェインと同様。

 

 1日のアルコール摂取24g以上の男女で、骨粗しょう症による骨折リスクが38%上昇し、大腿骨近位部の骨折は68%上昇

 

引用:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版
 

 

ステロイドと骨折】

 

▶︎ステロイドの服用による骨強度の低下は必発であり、ステロイド骨粗鬆症といわれる。

▶︎骨密度が保たれていても、もともとの骨折がなくても原発骨粗鬆症に比べて骨折しやすくなる。

▶︎ステロイド骨粗鬆症の特徴として、骨密度の低下よりも骨の強度低下に伴う骨折リスクが大きいということがある。

 

引用:一般社団法人 日本内分泌学会

 

 

↑基本的には、骨粗しょう症のリスクが高くなる・もしくは骨質が低下(骨の強度低下)することが、大腿骨頸部骨折の危険因子ということですね!

 

・まとめ

 

▶︎上記の項目で、患者さん本人へ生活指導が必要な項目としては、

 

ビタミンDの摂取

・ビタミンAの摂取(過剰摂取は✖️)

・多量のカフェイン摂取はしない

・多量の飲酒はしない

・喫煙は出来たらやめた方が良い

・糖尿病の方は、糖尿病用の生活指導

 

↑このあたりでしょうか?

 看護師さんや、栄養士さんと一緒にお伝え出来たら患者さんも理解しやすそうですね!

 

 また、その他の項目についても、情報として把握しておくとリハビリ中も配慮出来ると思いますのでリストアップ出来ていたら良さそうですね!

 

今回は以上で終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊

 

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大腿骨頸部骨折の分類について【ガイドラインより抜粋】リハビリ

こんにちは!今回は、大腿骨頸部骨折のガイドラインを、リハビリテーションで必須な項目のみまとめてみました!

 

▶︎本記事では、大腿骨頸部骨折・転子部骨折の分類とその予後予測に絞ってお伝えします!

 

 

▶︎ガイドライン以外の私見も含みますが、宜しければご覧ください!!

 

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・頸部骨折のガイドライン(骨折の分類)を必須事項のみすぐに確認出来る。

 

目次 

・はじめに

・大腿骨近位部骨折について

 ▶︎大腿骨頸部骨折の分類

 ▶︎大腿骨転子部骨折の分類

・まとめ

 

 

・はじめに

 

▶︎大腿骨頸部骨折は、高齢者に大変多い骨折なので、ほとんどの理学療法士が経験する疾患になります。

 

▶︎そのため、年数を重ねるとなんとなく経験則でリハビリを行なってしまいがちですが、理学療法士にとって科学的根拠は最重要ですよね。

 

▶︎他疾患と比較しても文献が比較的多い疾患なので、この機会にガイドラインから見直していきたいと思います!!

 

▶︎今回の記事では、ガイドラインを元に大腿骨頸部骨折の分類について記載し、補足として分類ごとの対応の違いなどを私見を含めてお伝えしていきます!!

 

・大腿骨頸部骨折の分類

 

▶︎大腿骨頸部骨折は、大きく3つに分かれます。

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大腿骨頸部骨折(関節包内)

 ▶︎滑膜性関節包内骨折

 

大腿骨転子部骨折(関節包外)

 ▶︎滑膜性関節包外骨折(靭帯性関節包)

 

③大腿骨頸基部骨折(関節包内外をまたぐ)

 ▶︎血行の点からは転子部骨折の亜型として扱うのが妥当.不安定な骨折であり回旋転位を生じやすい。

 

※大腿骨近位部骨折を総称して、大腿骨頸部骨折と呼ばれるので、少しややこしいですが…。

 

↑まずは、この3つに分類できるということですね!頸基部骨折は転子部骨折の亜型なので、大きくは2つに分類されます。

 

・大腿骨頸部骨折の分類ついて

 

▶︎ではまず頸部骨折についてです。

 

▶︎大腿骨頸部骨折の分類としては、Garden分類

が広く用いられます。

 

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Garden分類

出典:大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)より

 

以下、ガイドラインより抜粋↓


大腿骨頚部骨折は非転位型(Garden stage IとII)と転位型(Garden stage IIIとIV)の2つに分類するのが治療法の選択と予後予測の面で間違いが少ない(F1F04452, EV level II-2).


近位骨片の転位のないもの(stage IとII)と転位のあるもの(stage IIIとIV)の2群に分類すれば,臨床的使用にはおそらく十分であろう(F1F06009, EV level IV).

Knowles pinによる内固定で,Garden stage I,IIでは全例骨癒合し,III,IVでは14%が偽関節となった.骨頭無腐性壊死はI,II群で5.9%,III,IV群で34.5%であった(F1F05135, EV level IV).

術前の状態をundisplaced(Garden stage I,II)とdisplaced(Garden stage III,IV)とに分けると,後者で偽関節は有意に多く,骨頭壊死は有意差はないが多かった(F1F05359, EV level III-1).

予後の判定には,整復位,骨折型,内固定材料の位置が重要であったが,骨癒合過程で合併症を生じたのは,Garden stage Iの24例中3例,Garden stage IIの13例中1例,Garden stage IIIの24例中9例,Garden stage IVの40例中21例であった(F1F05467, EV level III-1).

大腿骨頚部骨折に骨接合を行い,骨癒合率は97.7%であった.late segmental collapse(LSC)の発生はGarden stage I,IIでは36例中1例(2.8%)で,stage III,IVでは50例中11例(22.0%)であった(F1J01084, EV level IV)..

 

※late segmental collapse:骨頭圧壊


大腿骨頚部骨折のcompression hip screw(CHS)固定例の骨癒合,骨頭壊死,LSCの発生率はstage Iが100%,16.7%,0%;stage IIが94.4%,21.1%,7.1%;stage IIIが96.8%,43.8%,25.0%;stage IVが88.9%,57.1%,41.2%であった(F1J00312, EV level IV).

↑簡単にまとめると、

・転位型か非転位型かの2つに分類出来たら臨床上は問題がない。

・転位型は合併症(骨頭圧壊、偽関節、骨頭壊死)の確率が比較的高いため、リハビリの経過に要注意。

 

こんなところでしょうか。

 

では次は転子部骨折についてです。

 

・大腿骨転子部骨折の分類について

 

▶︎大腿骨転子部骨折にはEvans分類が広く用いられます。

 

大きくは安定型、不安定型に分類され、

さらに骨折線の傾斜によってタイプ1.タイプ2に分かれます。

 

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出典:大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)より

 

 

以下ガイドラインより一部抜粋↓


Evans分類をJensenとMichaelsenが改変し,calcar femoraleあるいは大転子の粉砕に関連して,転子部骨折を5型に分類した方法は,安定した骨折整復を得る可能性についての最も信頼できる情報を含み,二次的な骨折転位の危険性についての最も正確な予知を与えることから他の方法よりも優れていることがわかった(F1F07001, EV level III-3).

 

※calcar femorale:大腿骨頸部内側下部


reverse obliquity型の大腿骨転子部骨折はすべての頚部骨折の2%,すべての転子部,転子下骨折の5%の頻度で認められ,不十分な整復や不適切なインプラント位置によって手術成績は不良であった(F1F00657, EV level III-3).

 

※reverse obliquity型:大腿骨転子下、逆斜骨折

 

支持骨皮質の重なりが整復されないものと,小転子部と大転子部が分離して粉砕したもので,coxa vara変形が生じやすい.

Type 2骨折は8%を占め,骨折線は逆向きであり,大腿骨骨幹部が内方転位する傾向が著しく,骨折部はcoxa vara変形となる(F1F07003, EV level III-3).

 

※coxa vara:内反股


転子部骨折52例を4人の観察者でEvans分類に従って分類し,6週後に再び分類すると,4人とも分類が一致したのは23例のみで,安定型か否かのみに分類を絞ると34例で一致した.同一観察者で前後が一致したのは,Evansの5分類では35〜44例,安定型か否かでは45〜47例であった.安定型か否かのKappa coefficientは各観察者間では0.41〜0.77で,同一観察者の前後間では0.69〜0.81であった(F1F04247, EV level C-III).

↑簡単にまとめると、

・内側支持骨皮質の重なりが整復されないものと,小転子部と大転子部が分離して粉砕したもので,内反股が生じやすい。

・特にタイプ2は治療予後が悪く、内反股になりやすいので要注意。

私が個人的に気になる部分を抜粋すると上記の2つになりました。

 

・まとめ

 

▶︎今回は、大腿骨頸部骨折の分類について、ガイドラインを元に記述しました!!

 

▶︎特に気になる記述を抜粋していますので、気になる方は原文をご覧ください!!

 

以上で終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊

 

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圧迫骨折に対するリハビリテーションについて【2019〜2020文献紹介】【いつから?ガイドラインは?】

 こんにちは!今回は、高齢者に多い疾患である椎体圧迫骨折のリハビリについて、文献紹介をしていきます!

 

※専門職の方向けの記事になりますのでご了承下さい。

 

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・椎体圧迫骨折に対するリハビリの文献が一気見出来る

 

目次 

・椎体圧迫骨折とは?

・文献紹介

・まとめ

 

・椎体圧迫骨折とは?

 

▶︎まずは簡単に、椎体圧迫骨折の病態についてお伝えします。

 

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出典:日本整形外科学会

 

▶︎受傷起点:転倒、重いものを持つ、

      勢いよく座るなどなど…

▶︎分類:

骨粗しょう症性:比較的弱い外力で生じる

・病的骨折:転移性骨腫瘍によるもの

・外傷性骨折:強い外力により生じる

 

↑こんな感じですね。基本的には骨粗しょう症のものが多く、高齢者に多い疾患です。

 

▶︎あくまで基本情報なので、かなりさらっとお伝えしました💦

 

ではさっそく、文献紹介に移ります。

 

・文献紹介

 

【コルセットの長期使用が体幹筋力に及ぼす影響について】

 

▶︎コルセット着用群・未着用群ともに、2 か月間では体幹筋量や位相角に 大きな変化はみられなかった

 

▶︎筋 量または筋細胞の質的変化を検証したものは少 ない。体組成計 in body770 にて計測可能な位相角は、細胞の栄養状態や老化程度を表す指標 として使用されており、慢性疾患患者における 重症度の評価に用いられている。

 

 

※入院中のリハビリ介入を行っていたことを考慮されておらずコルセット着用患者は比較的体幹レーニングをコルセット未着用患者は下肢トレーニングを中心にリハプログラムを組む行う傾向にあった。そのことが筋量・位相角の変化がみられなかった要因とも考えられる。

 

参考文献:小山:コルセットの着用期間が体幹筋量や位相角に与え る影響について,九州理学療法学術大会,2019

 
【圧迫骨折 後方への外乱応答について】

 

▶︎非臨床骨折群と比較して臨床骨 折群において後方への外乱負荷応答に対する反応を点数 化した PST スコアが有意に低かった.


▶︎脊柱後弯が増大すると 立位姿勢において膝関節は屈曲位をとり,姿勢保持のために脊柱起立筋群や大腿四頭筋,下腿三頭筋などは持続 的な筋活動が必要になる。

 

▶︎また,脊柱後弯により重心位置が後方に偏倚す ることが報告されている

 

▶︎さらに,Maejima ら や 斉藤ら は円背が進行するにつれて,足圧中心の後方 への移動量が小さくなり,後方へのバランス能力が低下 すると述べている.

 

【圧迫骨折 前方リーチ】

 

▶︎FRT は非臨床骨折群と比較して臨床骨折群で有意に短かった.

 

▶︎村田 らは脊椎後弯と足趾把持力との間に有意な負の相関 があったと報告している.

▶︎本研究の臨床骨折群では脊柱 後弯が有意に大きく,脊柱後弯と負の相関がある足趾把 持力が低下していたことが考えられる.

 

▶︎これらのことか ら,上肢の前方へのリーチに伴う前足部への荷重が要求 される FRT において,足趾把持力低下の可能性がある 臨床骨折群と非臨床骨折群との間に差がみられたと考え る.

▶︎その他にも FRT と膝伸展筋力とは有意な正の相関 があったと報告されている.

▶︎本研究においても非臨 床骨折群と比較して臨床骨折群で下肢筋力を評価した CS-30 は有意に減少しており,臨床骨折群で FRT が短 かった原因として下肢筋力が低下していたことも考えら れる.

 

【圧迫骨折 立位重心動揺】

 

▶︎立位重心動揺検査では 有意な差を認めなかった.

 

【圧迫骨折 円背】

 

▶︎非臨床 骨折群と比較して臨床骨折群において円背指数が有意に増加していた.

 

【圧迫骨折 下肢筋力低下】

 

▶︎身体機能において CS-30 (下肢筋力)は非臨床骨折群と比較して 臨床骨折群で有意に減少していた.

▶︎Arima ら は形態 骨折で定義される脊椎圧迫骨折のない高齢女性と比較し て,脊椎圧迫骨折を 2 椎体以上有する高齢女性で下肢筋 力が低下していたと報告している.

 

▶︎甲斐ら は腰椎前弯が減少するほど大腿四頭筋力が弱くなると報告してい る.

 

▶︎また,宮原らは変形性脊椎症患者と健常高齢者 の膝関節伸展筋力を比較した結果,変形性脊椎症患者に おいて有意に膝関節伸展筋力が低下していたと報告して いる.

 

▶︎本研究の臨床骨折群では単椎体骨折と多椎体骨折 を有する対象者が混在していたが,脊椎圧迫骨折を有す る高齢者で下肢筋力が低下していたという先行研究  の結果と一致した.

 

【圧迫骨折 転倒】


▶︎過去 1 年間の転倒の有無に関して,臨床骨折群と非臨 床骨折群に有意な差はみられなかった.

▶︎PST スコアの成績は悪かった一 方で,静的なバランス機能や平衡機能を評価する重心動 揺検査の項目において 2 群間で差がみられなかった.

▶︎転倒に関係する要因はバランス機能のみでなく,筋力や歩行能力,関節障害、転倒恐怖,服薬など多岐にわたる報 告がされている

 

引用文献:岸本ら.臨床症状を有する脊椎圧迫骨折患者の後方への 外乱負荷応答に着目したバランス機能の検討.理学療法科学.2019

 

【圧迫骨折 強い疼痛が残存するケースの特徴】

 

▶︎特徴として、受傷後早期からの活動量が低く,腰背部痛の軽減や歩行能力の獲得が遅延していることが挙げられた.

▶︎退院時にかけて抑うつや痛みの破局的思考の改善,活動量の増加も乏しいことから,これらの特徴を持つ患者に対しては通常の保存療法に精神心理面の改善や活動量の増加に対するアプローチを併用する必要性が示唆された.

 

引用:片岡ら.強い腰背部痛が残存する脊椎圧迫骨折患者の特徴.第53回日本理学療法学術大会.

 

【圧迫骨折 起立台】

 

▶︎圧迫骨折患者に対して、起立台を使用した場合(T群)と使用しない離床方法(N群)について ADL の比較、 検討を実施。

 

(調査項目)

▶︎退院時の歩行様式と下記項目の相関について

・年齢

・入院から歩行開始までの日数

・在院日数

・受傷前の歩行様式

・退院時 Barthel index(B.I.)

 

▶︎退院時の歩行様式と有意な相関がみられた調査項目 は T 群、N 群ともに同様であった。

 

引用:松吉ら.脊椎圧迫骨折における離床様式と ADL の関連性の検討.第53回日本理学療法学術大会.2019

 

↑この調査では、起立台の使用の有無はあまり予後に関係がないという結果になっています。

 

【圧迫骨折 筋力測定】

 

↑圧迫骨折患者に対す る体幹伸展筋力の強化は脊椎圧壊の予防や痛みの軽減に効果があるとされており,筋力強化を図ることが重要。

 

▶︎測定には, HHD( μ Tas F-100,アニマ社 ) を使用。

▶︎測定部位は Th3,Th6, Th9,Th12 とし,澤ら(2015)の方法に準じて 体幹伸展筋力を測 定。

▶︎方法:測定における 1 回の筋収縮時間は 5 秒とし,3 回測定した. その際,測定間隔は,30 秒とした.分析には 2 回目と 3 回目の値を 各対象者の体重で除した値を用いた.

 

▶︎本研究では,全ての測定部位での検者内信頼 性が高く,Th3 と Th6,Th9,Th12 には強い相関が認められた

 

引用:鈴木ら.ハンドヘルドダイナモメーターを用いた体幹伸展筋力 測定の信頼性の検討.第53回日本理学療法学術大会.2019

 

【圧迫骨折 多裂筋】

 

▶︎脊椎圧迫骨折患者において急性期における 1 か月間で最長筋の筋厚に変化はみられなかったが、多裂筋の筋厚は有意に減少した

 

▶︎Hodges(2006)らは脊椎の急性疼痛や損傷後、 数日以内に多裂筋の萎縮がみられたと報告しており、Hides(2007) らはベッドレストにより下位腰椎レベルで脊柱起立筋より多裂筋に 顕著な萎縮がみられたと報告されている。

 

▶︎脊椎圧迫骨折患者において骨折による急性疼痛やベッドレストにより多裂筋の筋厚は減少したと考える。

 

引用:岸本ら.脊椎圧迫骨折患者の急性期における腰背部筋筋厚の経時的変化.第53回日本理学療法学術大会.2019

 

 

 

・まとめ

 

 

【コルセットの効果について】

▶︎コルセット着用群・未着用群ともに、2 か月間では体幹筋量や位相角に大きな変化はみられなない。

 

【下肢筋力について】

▶︎身体機能において CS-30 (下肢筋力)は非臨床骨折群と比較して 臨床骨折群で有意に減少していた.

 

▶︎脊椎圧迫骨折患者において急性期における 1 か月間で最長筋の筋厚に変化はみられなかったが、多裂筋の筋厚は有意に減少した。

 

【バランス能力について】

▶︎後方への外乱負荷応答に対する反応を点数化した PST スコアが有意に低かった。

 

▶︎FRT は非臨床骨折群と比較して臨床骨折群で有意に短かった.

 

【予後予測】

受傷後早期からの活動量が低く,腰背部痛の軽減や歩行能力の獲得が遅延している

 

【起立台の効果】

▶︎圧迫骨折患者に対して、起立台を使用した場合(T群)と使用しない離床方法(N群)について ADLは変化がなかった。

 

↑変化のあったものをピックアップしたらこんな感じになりました!!

 

▶︎今後も少しずつ追加していく予定ですので、また是非ご覧ください!

 

※文献の詳細については、原文を参照ください。また、各文献のエビデンスレベルについては、各々でご判断して頂けたらと思います。

 

以上で終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました😊

 

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エビデンスレベルとは?わかりやすくまとめます!【ピラミッド:医療、看護、歯科】

 

▶︎研究論文をいろいろ読んでいても、どれだけ信憑性がある文献なのか不安になる時がありませんか?

 

▶︎今回は、エビデンスレベルについて簡単にまとめていきたいと思います!!

 

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目次 

エビデンスレベル・推奨グレードとは

・レベル分類(エビデンスレベルピラミッド)

・項目別解説

 二次研究:臨床診療ガイドライン

      ステマティックレビュー

      RCTのメタアナリシス

 一次研究:ランダム化比較試験(RCT)

      非ランダム化比較試験

      コホート研究

      対象比較研究

 その他:ケースシリーズ(症例シリーズ)

     ケースレポート(症例報告)

     専門家の意見

                  動物実験

                  試験管の研究

・まとめ

 

エビデンスレベル・推奨グレードとは?

 

▶︎そもそもエビデンスとは、

「科学的根拠」という意味です。

 

つまり、エビデンスレベルとは、

「その情報がどれくらい科学的根拠があるのか?」

ということを知るためのレベルということですね。

 

以下、引用元より抜粋↓

 

エビデンスレベル】

▶︎エビデンスのレベルとは、ガイドラインが推奨する検査法や治療法が、どの程度信頼できるエビデンス(科学的根拠)によって実証されているのかを示す指標。

 

【推奨グレード】

▶︎ガイドラインに記載されている検査法や治療法を行うことを、どのくらい強く勧めているのかを示す指標。推奨度の強さは、一般にエビデンスレベルに基づいて決められ、エビデンスレベルが高い検査法や治療法ほど推奨度は高くなります。

 

引用元:

エビデンスのレベルと推奨度の決定基準(皮膚悪性腫瘍グループ)http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/skin_cancer/evidence_level.html

 

↑つまり、エビデンスレベルが高いものが、

専門家にオススメされている検査や治療ということで「推奨グレード」が高くなります。

 

 では、エビデンスレベルにはどのような分類があるのでしょうか?

 

・レベル分類(エビデンスレベルピラミッド)

 

f:id:tajax:20201224175614j:image

 

引用元:ネットdeカガクhttps://netdekagaku.com/evidence-based-medicinebased/

 

↑このピラミッドはご覧の通り上にあればあるほどエビデンスレベルが高くなります。

 

・臨床診療ガイドライン

・レベル1:RCTのメタアナリシス

・レベル1:システマティックレビュー

・レベル2:一つの以上のランダム化比較試験(RCT)

・レベル3:非ランダム化比較試験

・レベル4a :コホート研究

・レベル4b:対象比較研究

・レベル5:ケースシリーズ(症例シリーズ)

・レベル5:ケースレポート(症例報告)

・レベル6:専門家の意見

動物実験

・試験管の研究

 

※↑緑色の項目は図にありませんが、その他のピラミッドを参考にして追加しました。

※推奨グレード(レベル1〜6)については、理学療法ガイドライン第1版に基づいて記載しました。

 

 なんだか難解な言葉が多くて嫌気がさしますね!!笑

 

 では、1つずつ簡単に言葉の意味を記述します。

 

・項目別の説明

 

・二次研究

 

【臨床診療ガイドライン

▶︎エビデンスのシステマティックレビューと複数の治療選択肢の利益と害の評価に基づいて、患者ケアを最適化するための推奨を含む文書

(米国医学研究所:Institute of Medicine 2011)

 

 とのことです。患者ケアを最適化という部分からエビデンスレベルの最高峰であるということは解釈できますが、システマティックレビューが正直よく分かりません。笑

 

では、システマティックレビューとはなんでしょうか??

 

ちなみに

ステマティックが「計画的、体系的」

レビューが「評論、批評」

という意味です。

 

【システマティックレビュー】

▶︎ランダム化比較試験(RCT)などの質の高い複数の臨床研究を,複数の専門家や研究者が作成者となって,一定の基準と一定の方法に基づいてとりまとめた総説のこと。

 

引用:日本理学療法士学会より

 

質の高い研究を、複数の研究者・専門家が作成者となってまとめた総説ということなので、何やらすごくエビデンスレベルが高そうですね。

 

ただ、ランダム化比較試験が分からないので、さらに調べていきます。

 

【ランダム化比較試験(RCT)】

▶︎ある試験的操作(介入・治療など)を行うこと以外は公平になるように,対象の集団(特定の疾患患者など)を無作為に複数の群(介入群と対照群や,通常+新治療を行う群と通常の治療のみの群など)に分け,その試験的操作の影響・効果を測定し,明らかにするための比較研究。

 

引用:日本理学療法士学会より

 

↑何かの治療をする際に、ランダムにコントロール群と介入群で分ける研究というとのことです。

 ここまできてやっとなんとなく意味が分かりましたね。笑

 

ちなみに研究には二次研究と一次研究があり、

 

ガイドライン

・システマティックレビュー

・メタアナリシス

 

これらが二次研究になります。

 

 二次研究とは、すでに発表されている論文データを再利用・再構築して、新たな次元で再評価・整理を行う研究です。

 

 そのため、1つの論文のみで説明するよりもエビデンスレベルが上位になります。

 

では最後に、メタアナリシスについて記載します。

 

各単語の意味は、

メタ:「超越した」「高次の」

アナリシス:「分析」

となります。

 

【メタアナリシス】

▶︎ある程度似ている研究の複数の結果を統合し、ある要因が特定の疾患と関係するかを解析する統計手法。

 

引用:国立がん研究センターがん情報サービス

 

↑とのことです。一つの研究のみよりも、複数の研究結果を統合する方がよりエビデンスレベルが高まるということですね。

 

 特に、上述したRCTのメタアナリシスは、エビデンスレベルが高くシステマティックレビューと同列に位置しています。

 

ここまでが二次研究の内容になります。

 

では次に、それより下位にある一次研究について書いていきます。

 

・一次研究

 

▶︎一次研究とは、簡単にいうと原著ですね。実際に執筆者が行った研究内容を記載しています。

 

その中でも1番エビデンスレベルが高いのは、先ほど記述したランダム化比較試験(RCT)です。

 

そしてその次のレベルには、

 

・非ランダム化比較試験

コホート研究(前向き)

・対象比較研究(後ろ向き)

・症例報告や症例シリーズ

・動物・細胞実験

 

 では、非ランダム化比較試験からみていきます。

 

【非ランダム化比較試験】

▶︎ランダム化試験とは逆に、ランダム化の手法を用いない研究デザイン。そのため、対象者のグループ分けを研究者が行うことになるので『作為性』が生じる可能性あり。そのため、ランダム化比較試験よりもエビデンスレベルは低くなる。

 

↑確かに、ランダムでグループ分けする方がエビデンスは高そうですね。では次にコホート研究をみていきます。

 

コホート研究】

 ある特定の疾患の起こる可能性がある要因・特性を考え,対象集団(コホート)を決め,その要因・特性を持った群と持たない群に分け,疾患の罹患や改善・悪化の有無などを一定期間観察し,その要因・特性と疾患との関連性を明らかにする研究方法。

 

引用:日本理学療法士学会

 

↑これも少し難しいですね。

研究の手順でいうと、

①【仮説】ある特定の疾患の起こる可能性がある要因・特性を考える。

②【分ける】その要因・特性を持った群と持たない群に分ける(糖尿病患者を、身体活動量によって2つに分けるなど)

③【観察】疾患の罹患や改善・悪化の有無などを一定期間観察(何ヶ月〜何年とか)

④【考察】何でそんな結果になったのか考える

 

こんな感じでしょうか?

 

原則として,コホート研究は介入をせず,観察のみで行われる研究になります。

 

次は、対象比較研究についてです。

 

【対象比較研究】

▶︎ある疾患をもつ患者群とそれと比較する対照群に分けて,疾患の特徴や疾患の起こる可能性がある要因にさらされているかどうか,また背景因子の違いなどを比較し,関連を確認するための研究方法。現在の要因や過去にさかのぼった要因を用いる。

 

引用:日本理学療法士学会

 

↑これについても、少し難しいですが、コホート研究との大きな違いは、現在の要因や過去にさかのぼった要因を用いるという点になります。(横断研究、後ろ向き研究)

 

 コホート研究よりも、情報バイアスや選択バイアスの影響を受けやすいため、エビデンスレベルが低くなります。

 

※バイアス:研究における偏り・誤差。

 

 コホート研究も、対象比較研究も直接的な介入はしないため『観察研究』に位置付けられます。

 

・その他研究デザイン

 

【症例シリーズ】

 ある治療法を、何名かの患者さんに用いて治療経過や結果を観察し、そのデータをまとめて報告したもので、記述研究のひとつ。

 

記述研究:「ある患者さんにある薬を投与したら、症状が改善した」というように、患者さんの経過を記述して報告する研究のこと。

 

引用元:

エビデンスのレベルと推奨度の決定基準(皮膚悪性腫瘍グループ)http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/skin_cancer/evidence_level.html

 

↑症例シリーズの特徴は、

①対照群との比較検討を行わない。

②記述研究である。

 

 この2点かと思います。比較検討を行わないため、症例数が多くてもエビデンスレベルは低めになります。

 

▶︎症例シリーズが複数の被験者がいるのに対し、『症例報告』はシングルケースになるため、さらにエビデンスレベルは低くなります。

 

その他、

 ・専門家の意見

    ・動物実験

    ・試験管の研究

 

 これらが続きます。この3つについては別途解説する必要もないかと思いますので、省略します。

 

 ただ、専門家の意見よりも症例報告の方がエビデンスレベルが高いというのは、臨床場面での実際の現象を重視している感じがして良いですね。

 

 

・まとめ

 

▶︎以上、簡単にエビデンスレベルについてまとめてみました!

 

▶︎とにかく大切なのは、今読んでいる文献や論文のエビデンスレベルがどの位置にあるのかということを考えて読むということかと思います!

 

※完全な素人がまとめた文章なので、詳しく学びたいという方は下記を参照してください!

 


 

 


 

 

これで終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊

 

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外反母趾角とは?(測定方法 角度 手術方法)【専門職向け】

今回は、外反母趾角について記載します!

 

 この記事では、外反母趾角の測定方法やアプローチ方法などを、文献を参照しながらまとめていきますので、ぜひ最後までご覧下さい!

 

※実際に現場で測定することのある専門職向けなのでご注意ください!

 

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●この記事の信頼性

  ▶︎記事を書いている私は、運動の専門家である理学療法士(国家資格:7年目)であり、解剖学・運動学・生理学を基本とした知識があります。

 

 ▶︎さらに足と靴の専門機関にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は豊富です。実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝えできます。

 

 

●このブログをみて得られるメリット

外反母趾角の測定方法が分かる

外反母趾角が異常である時のアプローチ方法の一部が分かる

 

目次 

外反母趾角とは❓

外反母趾角の測定方法

外反母趾角が異常な原因

外反母趾角が異常な時の特徴

・具体的なアプローチ(運動療法・手術)

・その他文献

・まとめ

 

 

外反母趾角とは❓

 

▶︎外反母趾角とは、外反母趾の重症度をみる角度です。

▶︎外反母趾の定義づけにも利用されている指標になります。

 

↓【外反母趾ガイドライン(2008)】

 

▶︎外反母趾は、母趾 MTP 関節の外反と内旋を伴う有痛性の疾患である。
▶︎外反母趾を有する者は、外反母趾角(Hallux valgus angle:以下HVA)が20°以上になり、疼痛を覚えることで診断されることが多い

 

 

↑つまり外反母趾角が20°以上になると『外反母趾』と診断されるということですね。

 

▶︎外反母趾の特徴としては

・第一中足骨の内反

・母趾 MTP 関節部の突出

・母趾の基節骨の 外転・回内変形

・開帳足

         が挙げられます。

 

 

▶︎外反母趾が進行すると、第 1 基節骨が第 1 中足趾節間第 1 中足骨頭周囲の軟部 組織や骨性隆起が腱膜瘤を生じさせて疼痛を誘発することがありますので、要注意です。


▶︎また、二次性徴が起こり体重の 増加する時期に増加する傾向が有り,40 歳以降で骨格 筋に脆弱性をきたす頃に再度増加する傾向にあり、高齢になってから変形が加速していきます。

 

 

引用
石川ら:健常者において静的立位での外反母趾角と後足部アライメントは関連があるか(2017)

引用
高井ら:外反母趾を有する若年者と高齢者の足部形状の違い(2012)

 

外反母趾角の測定方法

 

▶︎外反母趾角の測定は、

 

・レントゲンによる測定

・フットプリントによる測定

・臨床上の簡便な測定

 

これらの方法があります。

 

▶︎レントゲンでの測定では、

 

f:id:tajax:20200929184346p:image

・第一中足骨の長軸

・第一基節骨の長軸

↑これらのなす角度で測定します。

 

▶︎また、フットプリント上での測定では、

 

f:id:tajax:20200929183255p:image

 ↑足の内接線と第1趾接線のなす角度を測定します。

 

▶︎臨床上では、

 

・第1中足骨頭と第1基節骨頭を結ぶ線

・第1中足骨頭と内果後方を結ぶ線

 

↑これらのなす角度を体表より測定します。

 

▶︎当然、レントゲンによる測定が1番信頼性が高く、研究等では最も用いられている方法かと思います。

 

▶︎しかし、臨床で毎回レントゲン撮影するわけにもいかないので、簡易的な方法も覚えておくと役に立ちますね。

 

外反母趾角が異常な原因

 

▶︎外反母趾の原因は、

 

・靴などによる外的なもの

・身体による内的なもの

 

これらがあります。

 

▶︎靴などによる外的なものは、つま先が細くて指を圧迫するなど、理由がシンプルで分かりやすいかと思います。

 

しかし、外反母趾は後足部の影響により生じることも多く、扁平足などとも関連があります。

 

以下文献を参照ください↓

 

外反母趾と扁平足の関係】
▶︎Kalenは思春期を対象とし,外反母趾では扁平足が8~24 倍多く合併していることを報告している。

 

【内側アーチ低下の影響】
▶︎内側縦アーチが低下するとアーチの下部を走行する長母趾屈筋や母趾外転筋 が近位へ牽引され,第一中足骨の内転,母趾基節骨の外転作用が生じる
▶︎内側縦アーチの低下は距骨下関節回内に伴い距舟関節と踵立方関節の関節軸が平行に近づき足部の剛性が低下すると生じる

 

引用
石川ら:健常者において静的立位での外反母趾角と後足部アライメントは関連があるか(2017)

 

▶︎このように、扁平足などで土踏まずのアーチ(内側縦アーチ)が低下すると、連鎖的に外反母趾にもなりやすくなるため、後足部のケアにも重要になります。

 

外反母趾角が異常な場合の特徴

 

▶︎外反母趾角が増加すると、様々な特徴が生じてきます。

 

↓以下文献

 

外反母趾 歩行】
▶︎HVA (外反母趾)群は健常群に比べ歩行時の関節モーメントが有意に低値を示す結果となった。
▶︎また,その影響は特に立脚初期から中期にかけて膝関節の矢状面および足関節の矢状面,水平面において顕著であった。

 

▶︎外反母趾 患者は歩行時に膝関節の内反ストレスが増大するという報告があるが,今回の研究でそのような結果が得られなかった理由の 1 つは対象者を痛みの無い健常者としたことが考えられる。このことから,疾病に至る以前の若年者の動作は実際の患者とは異な る戦略を用いている可能性が考えられた

 

引用
笠野ら:若年健常女性の外反母趾角と歩行時関節モーメントの関係について
(2014)

 

 

外反母趾角 歩行】
▶︎内側縦アーチと外反母趾角との関係については負の相関が認められると報告されている。
▶︎歩行時の関節モーメントと第 1 趾側角度との関係については,第 1 趾側角度が大きいほど,足関節モーメントは小さく,これは歩行時立脚期の足関節機能の低下を意味すると考えられた

 

▶︎第 1 期の足関節モーメント低下 の現象は,踵接地直後から立脚中期へ移行していく段階で,外反母趾に伴う母趾の支持性低下などによって,母趾又は足趾側へ 重心を移動させていくことを抑制しているか,もしくは同様の理由により荷重のタイミングが遅延していることが考えられた。

 

引用
笠野ら:足部形態が歩行時下肢関節に及ぼす影響 外反母趾角に着目して

 

外反母趾 歩行時】
▶︎Blomgren ら は外反母趾患者の 歩行中の足圧分布を計測し,足底外側へ荷重が移動して いることを報告した.
▶︎よって運動療法を組み立てるに際 して,他部位や歩行時との関連性を検討する必要がある と考えられる

 

▶︎外反母趾を呈すると母趾外転筋は底側に回り込むため母趾は 内反で きなくなり,母趾内転筋の張力の ために第1中足骨が 内 反 し て も第 1 基 節 骨はもとの位 置 に 留 まり結 果 的に母趾は外反する。

▶︎したがって 筋作用は 逆に増悪因子となり変形が進行する。

 

引用
清水ら:外反母趾角を短期間で改善させ る ための 足底挿板療法の試み ー外反母趾角の改善が得られた 1症例を通して一

 

外反母趾 フロントランジ】
▶︎フロントランジ動作時のknee in-toe outと扁平足には因果関係があるとの報告がある。
▶︎我々は足部に着目して内側縦アーチ,横アーチ,外反母趾角,内反小趾角を測定することで,knee in-toe outとの関係を検討できると考えた.

 

▶︎フロントランジ動作時にknee in-toe outを呈する症例では、高頻度に内側縦アーチと横アーチの低下が認められ、内側縦アーチと横アーチの低下によりknee in-toe outが出現したと推察される。
▶︎外反母趾変形が少ないことや内反小趾が半数以上もいたことは、原因が特定できなかった。

 

引用
実岡ら:フロントランジ動作時にknee in-toe outを呈する症例に対する足部

 

【小学生 外反母趾と足趾把持力】
▶︎小学子どもにおいて外反母趾角と足趾把 持力が負の関係にあることが明らかになった。
▶︎しかし,先行研究においては,健常成人では外反母趾角と足趾把持力の関係性は 認められなかった。

 

▶︎この理由は,子どもの足部は発達段階にあり,筋力が足部形成に与える影響が大きい可能性が考えられる。
▶︎低足趾把持力により十分な足部アーチ形成が行われず,足部アーチの未発達が外反母趾角の増大につながったと考えられる。

 

▶︎本 研究は横断研究であるため,因果関係について断言できないが,足部アーチが発達段階にある子どものころに,足趾把持力を鍛 えることで外反母趾の予防につながる可能性がある。

引用

松原ら:小学生高学年における外反母趾角と足趾把持力の関係(2015)

 

 

・具体的なアプローチ(運動療法・手術)

 

▶︎外反母趾に対する治療としては、

運動療法

・物理療法(電気刺激)

・インソール療法

・手術療法

 

などがあります。

 

以下文献を参照ください↓

 

外反母趾 運動療法

▶︎従来は外反母趾に対す る運動療法として,ごむ紐を両母趾にかけて母趾を内側 に引き寄せるホーマン体操や母趾外転筋を強化する目的 とした母趾外転運動があり,外反母趾角の改善に対して 有効性が示されている

 

外反母趾 開張足】
▶︎開帳足の先行研究では,足幅の増大と外 反母趾角の増大とに正の相関関係を報告している。
▶︎また,外反母趾への足底挿板療法において横アーチへ のアプローチの有効性も示されている。

 

引用
石川ら:健常者において静的立位での外反母趾角と後足部アライメントは関連があるか(2017

 

 

外反母趾 電気刺激】
▶︎過去の健常人を対象とした報告では,電気刺激母趾外転筋の随意収縮が困難な例に対して,収縮を誘導するために有効である と報告されている。
▶︎しかし,外反母趾症例を対象とした研究はほとんど見当たらなかった。

 

▶︎このことから,電気刺激が外反変形のある症例に対しても,母趾外転筋の随 意収縮の誘導に有効であることを示すと考える。
▶︎しかし,今回の結果は電気刺激による母趾外転筋の随意収縮誘導の即時効果を示すものである。

 

引用
浦本ら;母趾外転運動に対する電気刺激の有効性について(2013)

 

外反母趾 手術】
▶︎外反母趾と診断され Lapidus 変法を施行した女性 7 名 9 足,平均年齢 70.1±9.5 歳

▶︎ レントゲン所見,AOFASscore の術後変化から,手術による構造・機能面の改善,疼痛軽減が認められた。
▶︎それに伴い母趾荷重 が可能となり,母趾面積・最大圧が増大したと考える。

 

▶︎後足部の影響による母趾圧増大は,長期的な予後を踏まえると改善する必要性があると考える。手術の影響を受けない後足部へ着 目することは,外反母趾に対する術後理学療法の一助となるのではないかと考える。

引用
野中ら:外反母趾術後の歩行と後足部形態との関連(2015)

 

外反母趾 術後】
▶︎インソールは立脚初期における後足部の回内角度を減少させ(Davis ら,2008),中足骨頭の圧の集積を減少する(Stolwijk ら,2011)。
▶︎中足骨頭部の圧の集積が免れ即時的に疼痛 が減少。
▶︎外反母趾術後にインソールパッドを用いたアプローチは効果があると考えられる。

 

引用
花澤:外反母趾術後に中足骨部痛を招いた一症例 ~インソールパッドを用いた介入~(2014)

 

・まとめ

 

▶︎今回は、外反母趾角についてまとめてみました!

 

▶︎外反母趾角は、後足部との関連が深いので、それらの評価も併せて行うのが必須ですね!

 

▶︎他の足部評価については、下記の記事もお時間があればご参照ください↓

 

【leg heel angle(LHA)正常値・測り方は?】

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/04/215103


【内側縦アーチ高率(MLA)って何?評価の方法は?】

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/06/175851


【Navicular Drop test(NDT)方法や基準値は?】

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/08/233750


【足部評価】Arch height index (AHI)って何?

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/10/180745


【専門職向け】外側縦アーチについて

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/14/230055

 

▶︎足部は構造も複雑なので、まとめて知識を得る方が得策かもしれません。

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▶︎足部の評価も大切ですが、『正しい靴選びが出来ているか?』ということも大変重要です。

 特に子供の頃は足の骨も完全に骨化していないので、特に靴選びが大切です。

 子供靴についての知識も身につく子供靴のサイトを作成しましたので、お子さんがおられる方は是非ご覧下さい!😁

 

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以上で終わります。最後までお読み頂きありがとうございました!😁

 

 

 

Q-angleとは?(測定方法、平均値)【専門職向け】

今回は、Q-angle についてまとめていきます!

 

Q-angle は膝のアライメント評価ですが、股関節や足関節と密接な関係がありますので要チェックです!

 

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▶︎膝は構造も複雑なので、まとめて知識を得る方が得策かもしれません。

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●この記事の信頼性

  ▶︎記事を書いている私は、運動の専門家である理学療法士(国家資格:7年目)であり、解剖学・運動学・生理学を基本とした知識があります。

 

 ▶︎さらに足と靴の専門機関にて2年間学んできましたので、足・靴に対する知識は豊富です。実際の靴作りも行っていたので、構造的なこともお伝えできます。

 

 

●このブログをみて得られるメリット

・Q-angleの測定方法が分かる

・Q-angleの基準値が分かる

 

目次 

・Q-angleとは❓

・Q-angleの測定方法

・Q-angleの基準値

・Q-angle増加の原因

・考えられる機能障害について

・その他文献

・まとめ

 

 

・Q-angleとは❓

 

▶︎大腿四頭筋の作用線と膝蓋腱の方向の二線からなる角で、膝関節のアライメント異常の指標となります。

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▶︎Q アングルの値は膝蓋骨や脛骨のポジションなどに影響を受けます。

▶︎そのため膝関節の機能的検査の一つとして行 うことができます。

 

 

・Q-angleの測定方法

 

▶︎測定は、仰臥位もしくは立位で行います。

 

・上前腸骨棘(ASIS)と膝蓋骨中心を結ぶ線

・膝蓋骨中心と脛骨粗面を結ぶ線

 

↑これらのなす角度を測定します。

 

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例えば、立位で測定する際、

・閉脚立位で行うのか

・開脚(20センチ程度)で行うのか

 

↑これらの条件の違いでも数値が異なりますので、測定の際は肢位の統一が必須になります。

 

※立位での測定の方が臨床に反映しやすいかと思いますので、個人的には立位で行っています。

 

・Q-angleの基準値


▶︎Q ア ン グ ル はその基準値にばらつきがあり、文献によって異なります。

 

▶︎測定条件も

 『仰臥位もしくは立位』

 『大腿四頭筋が収縮しているのか』

 

 などによって結果が異なりますので、測定の際は条件をしっかり規定して行うのが大切かと思います。

 

▶︎男性で15°、女性で20°を超えたQ角は、膝蓋大腿関節痛、膝蓋軟骨軟化症や膝蓋骨脱臼のような膝蓋大腿関節の障害発生に関連すると言われているので、臨床上では

       『男性15°   以内  女性20° 以内』 

     これを基準にすることが多いです。

 

※文献例
・Hughston :

    基準値  0 ° (条件:膝関節 90°屈曲位 )
 基準値10 °    (条件:膝関節完全伸展位+大腿四頭筋収縮時)

 

・Insall :

    基準値15°      (13 〜 20)
(条件:仰臥位+膝関節完全伸展位+大腿四頭筋弛緩時)

 

・C a r s o n ら :

     基準値:1 0°( 男 性 )      15°(女性)
(条件:仰臥位 + 膝関節完全伸展位 + 大腿四頭 筋収縮時)

 

・F a i r b a n k :

     基準値:2 0°( 男 性 )の     22°(女性)
(条件:立位 + 大腿四頭筋弛緩時)

 

▶︎触診によって膝蓋骨の中心や脛骨粗面を決め、それを基にQ アングルを測定するため人為的誤差が生じやすい検査ですね。

 

・Q-angle増加の原因

 

▶︎Q-angleが増加する原因は、以下のものが挙げられます。

 

・内側側副靭帯の機能低下
・腸脛靭帯の過緊張

・足関節の過剰回内

 

 

 【腸脛靭帯の過緊張について】

▶︎腸脛靭帯の停止はGerdy結節にあるため、過緊張状態になると脛骨には外旋力が作用します。

▶︎脛骨が外旋することで、脛骨粗面も外方に変 位しますので、 Q アングルは増加することになります。

 

【足関節の過剰回内について】

足部が回内すると、連鎖的に脛骨が内旋し、大腿骨内旋すると、膝蓋骨が外方へ反れます。

▶︎そうなると大腿四頭筋の筋バランスの不均衡を引き起こし、 膝蓋骨の外方変位を助長させ、Q アングルが増加します。

 

・考えられる機能障害について

 

▶︎Q アングルの値が正常値を超えて大きくなっ ている場合、膝関節周辺にある軟部組織を始め、下肢 や骨盤、腰椎にある関節の機能不全などの問題が発生している可能性が大きくなります。

 

以下に文献を少し載せます。

 

【Q-angle と大腿四頭筋

▶︎大きなQ角は大腿四頭筋の横断面積を減少させる効果を持つことが分かった。
▶︎こうした変化は、関節に対する過剰な負荷や損耗を避けるために、末梢神経系、そして中枢神経系が変化し筋萎縮や筋の活動性低下がもたらされる結果であると予想される。

 

引用
Tsakoniti AE, Stoupis CA, Athanasopoulos SI. Quadriceps cross-sectional area changes in young healthy men with different magnitude of Q angle. J Appl Physiol. 2008 Sep; 105 (3): 800-4.

 

【バドミントン Q-angle 】
▶︎ 膝関節疾患の有無による比較では,膝関 節疾患を有した者は 2 年時の両側 Q - angle が有意に大きな値 を示した.

 

引用
阿部ら:中学生バドミントン選手における競技特性と障害特性(2006)

 

 

▶︎このように、膝蓋骨が外方変位することで大腿四頭筋の機能障害が生じたり、関節異常が起きたりします。

 

▶︎さらにスポーツ動作時にknee  inしやすくなりますので、ACL損傷などのリスクも高まりますので要注意ですね。

 

※Q-angle に関するその他文献↓

 

【Q-angle と脛骨外旋】
▶︎上前腸骨棘と膝蓋骨中心から結んだ線と脛骨粗面から膝蓋骨中心を結んだ線がなす角であり、脛骨粗面が脛骨上で外方に位置していれば Q-angle は大きくなるといえる。
▶︎今回、主観的 脛骨外旋側と反対側の差は概ね 2°、差の大きい者では 8° あった。

 

▶︎今回の結果から、主観的脛骨外旋 評価と Q-angle 測定に関連性があると示され、臨床場面で Q-angle 測定が 大腿脛骨(FT )関節回旋評価の一指標 として示唆された。
▶︎Q-angle は、前額面の変形や前捻角、大腿膝蓋関節の偏位が測定値を左右 するため個人差も大きく、それらを考慮した解釈が重要

 

▶︎脛骨外旋は 脛骨粗面の外方移動を伴い Q-angle の増大をもたらすことにより、脛骨回旋評価としても有用であ る と 考 え ら れ て い る 。

 

引用
竹内ら:大腿脛骨関節の主観的脛骨外旋と Q-angle との関連性 —Q-angle を脛骨回旋評価に使えるか?—

 

 

・まとめ

 

▶︎今回は、膝のアライメント評価であるQ-angle についてまとめていきました。

 

▶︎レントゲンにて測定するFTAと異なり、触診にて測定するため数値にバラつきがみられやすいため、同一検者で数回測定する方が良いかと思います。

 

▶︎膝蓋骨が外方変異していると、それだけで大腿四頭筋のトレーニング効率も変化してくるので、若年者でもようチェックですね!

 

▶︎また、足部や股関節のアライメントにも影響しますので、合わせて評価をすることが大切だと思います。

 

 

※足部評価についてはこちら↓

 

【leg heel angle(LHA)正常値・測り方は?】

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/04/215103


【内側縦アーチ高率(MLA)って何?評価の方法は?】

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/06/175851


【Navicular Drop test(NDT)方法や基準値は?】

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/08/233750


【足部評価】Arch height index (AHI)って何?

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/10/180745


【専門職向け】外側縦アーチについて

http://tajax.hatenablog.com/entry/2020/09/14/230055

 

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▶︎膝や足部の評価も大切ですが、

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 特に子供の頃は足の骨も完全に骨化していないので、特に靴選びが大切です。

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https://tajaxi.jimdofree.com

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以上で終わります。最後までお読み頂きありがとうございました😊