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足と靴のお悩みブログ

足と靴のお悩みについて、理学療法士がお答えします。

圧迫骨折のリハビリとは?(体幹トレーニング・文献集)ドローイン、ブレイシング

こんにちは!今回は、圧迫骨折に対する体幹レーニングについて、文献を元に記載していきます!!

 

※文献紹介を元にまとめていきますので、専門職向けの記事になります。

 

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●このブログをみて得られるメリット

・圧迫骨折に対する体幹レーニングについての文献が一気にみれる。

 

目次 

・圧迫骨折のリハビリテーションについて

・圧迫骨折と体幹筋力低下について

・立位アライメント変化(円背)

・圧迫骨折と体幹レーニン

・まとめ

 

・圧迫骨折のリハビリテーションについて

 

▶︎圧迫骨折とは、何らかの外力により脊椎椎体が圧壊してしまう骨折のことをいいます。

 

▶︎高齢者に多く、転倒して尻もちをつくと受傷しやすいです。

 

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出典:日本整形外科学会

 

圧迫骨折になると、

 

・骨折部の疼痛

・臥床による四肢・体幹の筋力低下

      関節可動域制限

・立位アライメント変化(円背)

 

などを引き起こします。

 

今回は、

体幹の筋力低下

②立位アライメント変化(円背)

 

この2つに焦点を当てて、文献を元に記載していきます!!

 

・圧迫骨折と体幹筋力低下について

 

▶︎受傷直後2〜3日は、特に疼痛が強くてベッドで臥床して過ごすことが多くなります。

 

▶︎また、体幹コルセットを装着することで離床後も体幹の筋力を発揮する場面が少なくなるともいわれています(文献により異なりますが)

 

▶︎そのため、圧迫骨折では体幹の筋力低下に対するアプローチが必須になります。

 

↓以下に文献をまとめましたので参照ください。

 

【術後安静 筋力低下】

▶︎疼痛の変化と関係なく術後に安静時腹横筋の筋 厚が減少することが示唆された。

▶︎これは,術後の疼痛より も手術侵襲による問題や術後安静が筋厚減少に影響して いると考えられた。

▶︎腰椎術後患者に対する, draw-in ex,bracing ex は腹部筋群を活動させる術後運動療法として有効であることが示唆された。

 

藤川ら.腰椎手術前・後における腹部体幹筋の筋厚変化 早期体幹筋トレーニングと術後疼痛の関係について.九州理学療法士作業療法士合同学会誌2016
 

【術後安静 筋力低下】
▶︎A ・ B 群が健常者と比較して Local system(以下,LS)を構成する 腹横筋(以下,TrA) で低値を示したことは , 慢性腰痛症患者等と健常者を比較した Hodges ら の先行研究と同様であった .

▶︎これは , 手術に至る腰椎椎間板ヘルニアにおける坐骨神経症状がある症例においても慢性腰痛症 と同様の傾向を示すことが考えられ , より Global system に依存した戦略をとっている可能性が考えられた .
▶︎術後 1 ヶ月でも健常者と比較して TrA は低値を示した . これは , 術後 1 ヶ月までは , 当院プログラムにてコルセットを 装着することや ,Mayer らの術後患者において脊柱起立筋に萎縮がみられるという報告より , 手術における多裂筋損傷による LS の機能低下が考えられた .

 ▶︎①腹直筋、腹斜筋、腹横筋 は , 術後 1 ヶ月間の Training を実施しても健常群より低い

②座位等の各姿勢で の Exercise の必要性の 2 点を考慮した運動療法が必要であることを示唆した .

 

野田ら.腰部術後における腹部Bracing Exerciseと腹部Draw-in Exerciseの効果検証̶超音波診断装置における健常者と腰部術後 1 ヶ月での比較試験̶2011

 

【ドローイン 腰椎手術後】

▶︎術前と術後の比較において,安静時の腹横筋筋厚は術前と比較して術後 7 日に有意に低値を示した。

▶︎また, トレーニング時の腹横筋筋厚は術前と比較して術後に低下した。内・外腹斜筋の筋厚は術前と比較して術後 2 日に低値を示したが 7 日後には改善を示した。
▶︎今回の結果より,術後の安静や創部痛などにより腹横筋や腹斜筋群に早期から筋萎縮が生じている可能性があり,特に 腹横筋は腹斜筋群より術後の影響を受けやすいと考えられた。

▶︎術後早期には一過性に神経・筋コントロール低下が生じて いる可能性があり,このような筋機能低下は腹斜筋群と比べて腹横筋のようなローカル筋で長期化することが示唆された。

 

藤川ら.腰椎手術患者の術前・術後の体幹筋トレーニングによる腹横筋,内・外腹斜筋 の筋厚変化.Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)2016

 

 

↑文献等をみていると、腹斜筋、腹横筋、多裂筋などの筋力低下が多く挙げられています。

 

特に、ローカルマッスルである腹横筋は、一過性に神経・筋コントロール低下が生じて いる可能性が高いとのことです。

 

▶︎では、次は立位アライメント変化(円背)についてみていきます。

 

・立位アライメント変化(円背)

 

▶︎ではまずは、円背のタイプ分類についてみていきます。

 

【円背の分類】

伸展型

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S字型

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屈曲型

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手膝上型

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出典:仲田和正:老人の姿勢の研究 日整会誌 62:1149-1161,1988

 

↑このように円背もタイプ分類出来ます。

 

では、円背になるとどのような影響があるのでしょうか?

 

↓以下文献を一部抜粋

 

【円背の影響】

▶︎頭部前方位姿勢では,頭部 の前方偏位によって後頭下筋群や胸鎖乳突筋,僧帽筋上 部線維などの筋緊張が高まり,鎖骨および肩甲骨の位置 や運動に変化が生じるため,脊柱アライメント不良が肩 の障害を引き起こす可能性は高いが報告は少ない。

 

▶︎Bullock らと吉田らの報告によれば,直立位での肩挙上は 肩甲骨の運動が円滑に行われるため可動域が増加するの に対して,頭部前方位姿勢では過度の骨盤前傾,腰椎前 弯・胸椎後弯によって肩甲骨が外転および上方回旋する ことで肩の可動域は低下すると報告している 。

▶︎これは脊柱アライメント不良によって胸郭の形態変化が要因 となり,胸郭上に浮遊している肩甲骨が影響を受けたもの と考えられる。

▶︎頭部前方位姿勢では横隔膜前方が垂れ下 がり,胸郭の拡張が減少するため 、肩甲骨の上方回旋 が不十分となり,肩の可動域は減少する。

 

▶︎脊柱アライメント不良による肩甲骨 の位置異常がある場合,第 2 肩関節(上腕骨大結節と烏 口肩峰アーチ間の関節様機構)が破綻し,肩の運動時に 肩甲上腕関節にかかる負担が増大することで,傷害・障 害のリスクが高まることが予想される 。

 

▶︎Mika ら は背部筋の筋力低下を有する者は大きな胸椎後弯を呈すると報告し ,Birnbaum らにおいても円背の強さと背部筋の程度の間に正の相関を認めると報告している 。

 

▶︎Shinaki らは,高度な円背者は背筋力,握力,下肢筋力,10 m 歩行速度,バランス能力が低下すると報告し ,坂光らの報告は,脊柱後弯変形と片足立ち時間,10 m 歩行 時間および 3 分間歩行距離との間に負の相関を認めると 指摘している 。

 

▶︎Hirose らの報告では,脊柱後弯群は正常群に比べて,5 m 通常歩行速度や Timed Up & Goテストが低下すると報告している。

 

藤本ら:体幹理学療法7.理学療法―臨床・研究・教育 20:7-14,2013.
 

 

↑簡単にまとめると、

▶︎頭部前方位姿勢になると、

後頭下筋群や胸鎖乳突筋,僧帽筋上部線維な

 どの筋緊張増加→鎖骨および肩甲骨の位置や

 運動に変化が生じる→肩の障害

・過度の骨盤前傾,腰椎前弯・胸椎後弯により

    肩甲骨が外転・上方回旋→肩の可動域低下

・肩甲骨の位置異常→第 2 肩関節が破綻→肩甲

 上腕関節のストレス

 

↑これらの肩の機能異常をきたしやすいということですね。

 

 また、高度な円背になると、10m歩行やTUGなどのバランス能力も低下するため、転倒リスクも高くなるとのことです。

 

 特に圧迫骨折患者では円背を予防するために、立位のアライメントに気をつけないといけないですね!

 

・圧迫骨折と体幹レーニン

 

▶︎では最後に、体幹レーニングについての文献をご紹介します。

 

【ドローイン】

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▶︎ドローインとは、安静呼気時に下腹部を引っ込めるエクササイズです。

 

以下文献を一部抜粋しています↓

 

【ドローインの効果】

 

▶︎ドローインは安静呼気時に下腹部の引き込みを行 うことで,選択的に腹横筋の収縮が得られるとされており,それにより,脊柱の分節的安定性が増すことで,動 作に先行する体幹の筋収縮が円滑化し,その結果,腰痛予防・改善が期待できるとされている.

 

▶︎種本らは,ドローインによる体幹 深部筋への介入が立位重心動揺の減少に寄与すると判断 でき,体幹深部筋は運動を起こす効果器としての要素以 上に,固有受容器感覚などの体性感覚に準拠した機能の 関与が大きいと報告している

 

【円背 ドローイン】

▶︎ドローインは 0̊ と 45̊ 条件の全ての筋で,他の体幹運動課題よりも筋厚が増加していることから,背臥位 0̊ と円背モデルにおいても 腹部の筋力強化のアプローチとしては有用であると考えられる。

▶︎腹直筋と 内腹斜筋の筋厚変化は 45̊ 条件かつ ドローインで最大の値を示した ため,円背モデルでは,腹直筋と 内腹斜筋の筋力強化としては,ドローインが有用であると考えられる。

 

屋嘉比ら.健常者の円背モデルにおける体幹(呼気)運動課題が腹部筋厚に及ぼす影響.Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)2017

 

↑ドローインでは、主に腹横筋が選択的に鍛えられ、さらに円背の方は腹直筋と内腹斜筋が強化出来るとのことです。

 

さらに、深部筋へ介入することで立位での重心動揺も軽減するみたいですね!

 

【ブレイシング】

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▶︎一方ブレイシングは、息を吸っている状態で腹圧を高めるエクササイズです。

 

以下文献を一部抜粋しています↓

 

【圧迫骨折 Bracing】

▶︎脊椎圧迫 骨折における理学療法の目的は ,

疼痛緩和・廃用予防・歩行能力向上・椎体の圧潰を防止し脊柱のアライメントを保つなどがあげられる .

 

▶︎腹筋群の役割として脊椎の安定化 , 脊柱と骨盤の最適なアライメントを保つ , 四肢運動時の体幹や骨盤の代償運動を防ぐなどが言われている.

 

▶︎腹筋群の収縮様式の一つであるBracingは深部筋と浅部筋を同時収縮させるため脊椎安定化に優れていると言われており , 今回の対象症例にも運動療法として取り入れた .

▶︎2 群間で年齢や圧潰率に関係なく歩行能力に有意差 がみられたことから , 歩行能力向上につながった要因の一つとして腹筋群向上が前斜系制御による脊椎安定化に貢献した と示唆される.

 

小畠ら.脊椎圧迫骨折症例における腹筋群と歩行の関連性.Vol.40 Suppl. No.2 第48回日本理学療法学術大会 抄録集2013

 

【ブレイシング 腰痛】

▶︎本研究より,腰部安定化エクササイズにおいて,Abdominal Bracing(以AB )はAbdominal Hollowing(以下,AH)より腰部多裂筋の筋厚を増加させ,体幹筋の同時収縮を高めること が示唆された。

▶︎Richardson らによると,AH は腹横筋を中心に体幹深部筋の収縮を促すことで腰部安定化が図られると報告され ている。

▶︎McGill らは,腹横筋だけでは腰部の安定性は不十分であり,腹斜筋群の収縮も用いることで安定性を高められると報告している。

 

佐藤ら.腰部安定化エクササイズが腰痛患者の体幹深部筋に与える影響 ~超音波診断装置による検討~Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)2015

 

↑ブレイシングでは、腹横筋だけでなく、腹斜筋・多裂筋などのトレーニングも行えるとのことです。

 しかし、選択的に腹横筋を鍛える場合はドローインの方が有効性があるみたいなので、併用すると良いかと思います。

 

【大腰筋トレーニング】

 

→最後は大腰筋トレーニングについてです。

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出典:melos.media

 

以下文献より一部抜粋↓

 

【大腰筋 円背】

▶︎小澤らは立位で骨盤を固 定した場合、大腰筋は股関節屈曲 0~15 度においては腰部脊柱を直立させ大腿骨頭が圧迫・安定し、股関節屈曲 15~45 度で脊柱が直立化すると報告している。▶︎壁に背中をつけた立位で骨盤を前傾位に保持した状態で股関節 を 45 度までくりかえし屈曲させ、大腰筋の筋力増強訓練を行った。

▶︎大腰筋の収縮により骨盤を前傾位に固定し、 腰椎が伸展位を保持できるようになったため、身長が向上し腹部の圧迫感が軽減した。

▶︎骨盤を前傾させて大腰筋 の筋力増強訓練を実施することは、円背姿勢を呈した腰部変形性脊椎症の患者に対し有効である。

 

種継ら.円背姿勢を呈した腰部変形性脊椎症に対し大腰筋の筋力増強訓練により身長が向上した一例.京都理学療法士学会.2017

 

↑特に骨盤が後傾しているタイプの円背患者さんには有効ということですね。

 

  ただ、圧迫骨折急性期に大腰筋に収縮を加えると、骨折のストレスになる可能性が高いため、ある程度骨癒合してからの方が良いかと思います。

 

 

・まとめ

 

以上、圧迫骨折に対するリハビリについて

体幹レーニン

②円背に対するトレーニン

 

↑上記の2点について記載しました!

 

体幹レーニングについては、その他文献が多数ありますので、またご紹介出来たらと思います。

 

それではこれで終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました😊

 

●靴のレビューサイト【靴ログ】

https://tajaxi.jimdofree.com

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