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足と靴のお悩みブログ

足と靴のお悩みについて、理学療法士がお答えします。

多裂筋に対するトレーニング(腰痛、起始停止、運動療法、アプローチ、理学療法)

こんにちは!今回は、多裂筋のトレーニングについて、文献を元に記載していきます!!

 

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●このブログをみて得られるメリット

・多裂筋のトレーニングについて、文献を一気見出来る

 

目次 

・多裂筋の解剖

・多裂筋の作用、働きについて

・触診方法、筋電図はどこにつける?

・多裂筋のトレーニング方法

・まとめ

・多裂筋の解剖

 

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▶︎起始

 仙骨背面、後仙腸靱帯、腰椎の乳様突起、胸椎の横突起、C4-7の頚椎関節突起

 

▶︎停止

 2~4個上の棘突起に付着

 

【文献⑤】

▶︎多裂筋は腰背部では最も大きく最内側に位置し,特 に最深部の最も短い筋束は椎弓板線維と呼ばれ,各腰椎 椎弓板の背側下端から起こり,2つ下方の椎体の乳頭突起に停止する 。

 

▶︎第 5 番目の筋束だけはそれより 下方に乳頭突起が存在しないので仙骨(第1仙骨孔のす ぐ上)に停止する。

 

▶︎最深部の多裂筋は前方を除くすべて の方向で腰椎椎間関節を覆っている

 

▶︎この深部の多裂 筋は椎体分節毎に脊髄神経後枝の支配を受け,分節単位 で脊椎の安定性の維持と姿勢保持に働くとされている

 

 

・多裂筋の作用、働きについて

 

▶︎次は、多裂筋の働きについてみていきます!

 

【文献①】

▶︎渡邊 は、 (立位での)側方体重移動保持における両側多裂筋の筋電図積分値に ついて検討したところ、移動側の多裂筋については直立 位レベルの活動を維持し、非移動側については増大を認 めたと報告している。

 

▶︎結果、立位で の側方体重移動保持における多裂筋、最長筋、腸肋筋の 筋活動について、移動側各筋については直立位レベルの 活動を維持し、非移動側各筋においては直立位よりも増 大を認めた。

▶︎移動側は胸腰椎の生理的弯曲を保つための胸腰椎伸展作用として姿勢保持に 関わっていると考える。

▶︎非移動側については側方体重移動保持にともなって自律的に 骨盤の非移動側が挙上位になることを考慮すると、胸腰 部の非移動側側屈をともなう骨盤の挙上作用として関与 するものと考える。


▶︎非移動側の多裂筋、 最長筋については、胸腰椎を非移動側に側屈させるとい う解剖学的作用を有し、腸肋筋については肋骨と腸骨を 近づける胸腰部側屈作用にてそれぞれ胸腰部の非移動側 側屈をともなう骨盤の挙上がおこなわれていると考える。

 

【文献③】

▶︎腹横筋の主たる機能として,上下肢運 動時における他の体幹筋群からの独立的,かつ先行的な活動や腹腔内圧の上昇,仙腸関節の安定化などが報告されている。また, 腰部多裂筋に関しては腹横筋と協調して,また両側性に活動することで腰椎へ安定性を提供しているとの報告がある

 

▶︎腹横筋や腰部多裂筋は機能的活動中に低レベルで持続的な活動が必要であるとされており,か つ両筋は低レベルな筋活動で充分に安定化機能を果たすと報告されている。

 

【文献⑤】

▶︎伸筋群のうち多裂筋は,両側性に作用した場 合は脊柱伸展,片側性に作用した場合は片側脊柱の回旋 機能を有する。

 

▶︎Norrisによると,多裂筋は脊柱伸展のための強い筋出力よりもむしろ,腰椎椎間関節の適合腰椎の屈曲に抗した調和による脊柱安定に関与 すると考えられている。

 

▶︎深部に位置する多裂筋の役割は,脊椎分節毎の保護 と安定性の維持であり,深部の多裂筋による分節的安定 性の確保があって初めて,表在に位置する多関節筋のダ イナミックな運動が可能となるとされている

 

▶︎中枢神経系は運動に先行して腰部の安定性を確保する ために深部の多裂筋を収縮させている

 

▶︎多裂筋には固有感覚受容器が豊富に分布しており,関節包や靭帯からの感覚フィードバックと協調して,分節毎の安定性を保ち,脊柱の支持と保護に働いている。

 


▶︎福田は,体幹大きな前屈モーメントが加わる場合,腹側筋群が腹腔内圧上昇による体幹伸展作用,および支点の安定性を得る作用として活動することを述べている。

 

▶︎福田は,種々の動作について検討し,動作中の 脊柱起立筋,腹直筋,腹斜筋の筋活動と腹腔内圧変動 の相関を求め,腹斜筋ですべての動作において高い相 関を認めたことから,この筋の働きが腹腔内圧の変動 を起こすと報告している。


▶︎安静坐位・坐位側方リーチ動作において多裂筋の筋作用による椎体間の固定性よりも,表在 体幹筋による腹腔内圧とそれらすべての筋の制御作用 により姿勢保持がなされていることが重心動揺に強く 影響を与えるものであると考えられた。

 

↑多裂筋の働きについて簡単にまとめると、

【基本的な作用】

・脊柱伸展(両側)

・脊柱の回旋 (片側)

 

【その他の働き】

・脊椎分節ごとの安定▶︎動作の基盤

 (固有受容器が豊富▶︎先行随伴性姿勢調節)

 (腹横筋と共同して腰椎を安定)

・立位での側方重心移動(非移動側)

・腰椎の屈曲に抗した調和による脊柱安定

 (脊柱の伸展作用はアウターが関与)

 

※各姿勢・動作時に弱い筋活動を持続的に行えることが重要。

 

・触診方法、筋電図はどこにつける?

 

【文献④】

▶︎測定筋は左側の多裂筋,脊柱 起立筋とし,電極を筋線維と平行に電極中心間隔 20mm で貼付した。多裂筋の電極貼付位置は第 5 腰椎レベルで第 1・2 腰椎 間と上後腸骨棘を結んだ線上,脊柱起立筋は第 1 腰椎棘突起から 4cm 外側とした

 

【文献⑥】

▶︎多裂筋の表面筋電図の電 極貼付位置は,諸家により様々な報告がある。そのため,先行研究での電極貼付位置が統一されていない


▶︎棘突起外縁から多裂筋最表層の距離の平均値は,L2 棘突起レベルでは 4.4±3.3mm,L3 棘突起レベルでは 9.3±4.3mm,L4 棘突 起レベルでは 14.4±3.9mm,L5 棘突起レベルでは25.1±8.0mm,PSIS レベルでは男性 45.2±8.6mm,女性 30.1±15.2mm であっ た。PSIS レベルにおいて,男性が女性に比べて有意に多裂筋最表層の距離が長かった(p<0.05)。

▶︎本研究の結果から,L2 棘突起レベルでは 4mm,L3 棘突起レベルでは 14mm,L4 棘突起レベルでは 14mm,L5 棘突起レベルで は 25mm,PSIS レベルでは 30mm に表面筋電図の電極を貼付することで,多裂筋の筋活動を計測することは可能であると考え られる。

 

▶︎しかし,多裂筋の表面筋電図の電極は,多くは小児用電極を用いている。小児用電極は,縦 6mm,横 11mm である。 そのため,最長筋や腸肋筋の筋活動ではなく,多裂筋の筋活動のみを計測するためには,多裂筋最表層の距離は,最低 11mm 以上必要である。このことから,L2,L3 棘突起レベルでは,最長筋や腸肋筋などの隣接した筋の筋活動が混入している可能性 が高いと考える。L4 棘突起レベルでは,L4 棘突起近傍,L5 棘突起レベルでは,L5 棘突起近傍から 2cm の間,PSIS レベルでは, PSIS レベルの棘突起近傍から 3cm の間であれば,多裂筋の筋活動のみを測定することが可能であると推測される。

▶︎体幹 筋の形状や骨盤傾斜角度に男女差があることから,PSIS レベルにおいて男女差が生じたと考えられる。よって,L4 棘突起以下 のレベルで,表面筋電図の電極貼付位置を配慮することで,多裂筋のみの筋活動を計測できる可能性が示唆された

 

↑脊椎のレベルによって触知しにくい箇所もありますが、体表から筋の確認は出来そうですね!

 

【文献⑦】

▶︎電極の貼付部位は, Danneelsらの方法に従い , 多裂筋の電極中心を「両上後腸骨棘を結んだ線上および椎骨棘突起の近傍」とした

▶︎LM (多裂筋)は体幹深層筋であるため,L4−L5レベ ル 直上では脊柱起立筋が被
覆しており表在より筋の触知困難得であるが、後腸骨棘レベ ルの断面では脊柱起立筋の被覆はみられな い

▶︎下 位 LM は仙骨後面 お よび上後腸骨 棘 か ら,2−4分節上の棘突起に付着する。

▶︎L4−L5 棘突起に付着し,それらの伸展に関与するLM 線維の筋 電 位 は 上 記 の 電 極 貼 付 位 置 か ら 得 ら れ る と 判 断 し た。

 

 

・多裂筋のトレーニング方法

 

⬇️トレーニングの目的(腰痛)

【文献④】

▶︎腰痛患者では脊柱の安定性に重要な役割をもつ多裂筋が萎縮していることが報告されている(Barker,2004)。

▶︎また腰痛患者 の多裂筋の断面積は脊柱起立筋と比較して選択的に減少していることが報告されている(Danneels,2000)。

▶︎腰痛患者の リハビリテーションでは脊柱起立筋に対して多裂筋を選択的にトレーニングできる方法を検討していくことが必要である。

 

【文献②】

▶︎健常成人において四つ這い位では右下肢挙上や左下肢と右上肢の同時挙上と比較し、右下肢と左上肢の同時挙上の方が多裂筋の高い筋活動が認められた(p < 0.05)。

 

▶︎通常の四つ這い位での右下肢挙上と比較し、支持四つ這い位(上半身をベッドで支持)での右下肢挙上 の方が、健常成人、高齢者ともに多裂筋部の高い筋活動が認められた。通常四つ這いでは健常成人 43.7 ± 17.5%、高齢者 53. 3 ± 15.7%であり、支持四つ這い位では健常成人 55.8 ± 19.2%、高齢者 64.0 ± 17.6%であった(p < 0.05)。


▶︎健常成人の多裂筋部の四つ這い位での右下肢と左下肢の同時挙上は約 30〜48% MVC とされている。

▶︎上半身を支持することで、脊柱起 立筋の活動が抑えられ深層筋である多裂筋がより選択的に収縮することにより、安定性を一層高めることが可能であると考えられる。


▶︎高齢者では上半身を支持することで姿勢を保持することが容易となり、表在筋である脊柱起立筋の活動が抑えられて深層 筋である多裂筋の筋活動が高められ、安全で効果的な安定化エクササイズが実施可能となる。

 

【文献④】

▶︎挙上した上下肢を外転位にすることで,多裂筋の筋活動量のみが有意に増加し,多裂筋 / 脊柱起立筋比も増加する傾向に あった。

 

▶︎右上肢・左下肢外転位により脊柱左回旋モーメントが増加し,脊柱左回旋作用のある左脊柱起立筋は筋活動を 高めず,脊柱右回旋作用のある左多裂筋が筋活動を高めたためと考える。

 

▶︎挙上した上下肢に重錘負荷することで,多裂筋とと もに脊柱起立筋の筋活量も有意に増加し,多裂筋 / 脊柱起立筋比は有意に低下した。これは上下肢への重錘負荷により脊柱 屈曲モーメントが増加し,脊柱伸展作用のある両筋において脊柱起立筋が多裂筋よりも活動を高めたためと考える。

 

【文献⑤】

▶︎背臥位での多裂筋exの結果,圧変動幅が有 意に減少し,トレーニング中の腰部の前弯,後弯をコン トロールする多裂筋の筋機能に効果的であったことが示唆された。

 

▶︎しかし,安静坐位,最大側方リーチでの重心動揺の減少に影響を与えるものではなかった。

このこ▶︎とから脊柱安定性に寄与する多裂筋の機能が向上し椎 体間の固定性が高まることが,必ずしも重心動揺に影響を与えるものではないことが明らかとなった。


▶︎安静坐位保持では脊柱 起立筋や大腿直筋に筋活動が認められており,これらの 筋が姿勢を制御している特性の一つであると考えられ た。

 

▶︎側方へ体幹を傾斜させた場合,安静坐位での脊 柱起立筋や大腿直筋の筋活動に加えてハムストリング ス,特に外腹斜筋が強く働き,これらすべての制御作用 を用いて姿勢を保持しているとされている。

 

 

【文献③】※注意点

▶︎両筋は他の体幹筋群と比較して筋サイズも小 さいため,高負荷になるにつれて筋厚や筋断面積の値はプラトーに達していた可能性があり,さらに,高重量条件では重量の増 加に伴う体幹への高負荷に抗するため,体幹グローバル筋群である腹斜筋群や脊柱起立筋群などの活動性が優位となっていた ために筋厚や筋断面積の関連性が検知されなかったかもしれない。

 

↑トレーニング方法については簡単にまとめると、

・背臥位での多裂筋ex(ブレイシングなど)は筋力増強には有用。

 ※しかし、座位でのリーチ動作などでのバランス能力には寄与しない。

 

・バードドッグex(四つ這い位)

 ▶︎挙上した上下肢を外転位にすると○

 ▶︎上半身をベッドで支持した状態での下肢挙

        上でも筋活動↑

(通常肢位では約 30〜48% MVC

 

↑多裂筋のトレーニングでよくみられるのはバードドッグexが文献としても多い印象です。

 

▶︎注意点として上述したように高負荷のexは脊柱起立筋などが優位に働くようになるので、負荷量は気をつけた方が良さそうですね!

 

・まとめ

 

▶︎今回は多裂筋について記載していきました!

 

▶︎腹横筋などと共同して腰椎の安定を図る筋肉なので、併せてトレーニングしていきたいですね!

 

▶︎今回はこれで終わります。

最後までお読み頂きありがとうございました😊

 

●靴のレビューサイト【靴ログ】

https://tajaxi.jimdofree.com

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【文献①】引用:大沼ら.体幹研究と理学療法.関西理学 13: 11–22, 2013

 

【文献②】引用:今.効率的な多裂筋の筋力強化法の再考.Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)2012
 

【文献③】引用:三浦ら.腹横筋と腰部多裂筋の形態学的関連性.Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集).2015

 

【文献④】引用:正木ら.多裂筋選択的トレーニングの筋電図学的分析 ─四つ這い位での上下肢挙上における肢位の変化と重錘負荷による影響─.2012

 

【文献⑤】引用:掘切ら.多裂筋の筋機能トレーニングが坐位バランスの 安定化に及ぼす影響.理学療法科学 23(4):477–480,2008 

 

【文献⑥】引用:松尾ら.多裂筋における表面筋電図の電極貼付位置の再検討―超音波画像診断装置を用いて―Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)2017

 

【文献⑦】引用:村尾ら.腰部多裂筋の選択的活動をコンセプトとした新たなexerciseの筋電図学的解析.理学療法学2015 年 42 巻 2 号 p. 114-118